証券取引所で株を売買できる時間は限られていますが、PTS(ピーティーエス)を利用すれば証券取引所の時間外でも株の売買ができます。
PTSなら、日中 忙しくて取引きができない方も 夜間や取引所取引が始まる午前9時前にリアルタイムで取引き が可能です。
時間外取引に興味のある方は、本記事を読んでみてくださいね。
目次
PTS(Proprietary Trading System/プライベート・トレーディング・システム)は、日本語で 「私設取引システム」といい、証券取引所の営業時間外に行われる株式取引のシステムです。
このシステムは、証券取引所の通常の取引時間が始まる前や終了した後に、株式の売買を可能にするもので、個人投資家や機関投資家が利用できます。
通常、株式市場は平日の特定の時間帯に開かれますが、PTSでは、これらの時間外にも取引が行えるため、より柔軟な投資戦略をとることが可能です。
たとえば、夜間や早朝に国内外の重要な企業発表があった場合、PTSを利用することで、通常市場が開く前に反応して取引を行うことができます。
通常の取引は、証券会社から東証などの証券取引所を通して売買されます。
一方、PTSは 証券取引所を通さないで、証券会社どうしのネットワーク上で取引を完結させます。
ですから、証券取引所の時間外であっても株の売買ができるのです。
ちなみに、証券取引所での取引きを「取引所取引」、PTSでの取引きを「PTS取引」といいます。
時間外取引の需要が存在する理由はいくつかあります。
まず、全世界が異なる時間帯に活動しているため、国際的なニュースや市場の動きに対応するための時間外取引の必要性が高まっています。
また、多忙な投資家の中には、通常の取引時間内に取引を行うことが難しい場合もあり、時間外取引はそのような人々にとって便利な選択肢を提供します。
さらに、企業の重要な発表が市場の終了後や開始前に行われることが多く、これにより株価に影響を与える可能性があります。
時間外取引を利用することで、投資家はこのような情報に基づいて迅速に行動することができます。
このように、PTSは市場の柔軟性を高め、投資家にとってより多くの機会を提供します。
PTS取引のメリットとデメリットをまとめました。
一番のメリットは、取引所取引が終わったあとの重要なニュースに対応できたり、日中忙しい投資家もリアルタイムに取引できる柔軟性があることです。
デメリットは、参加する人が少ない(流動性が低い)ので取引が成立しにくい点です。
また、全銘柄を取引できるわけではないこと、指値注文のみであることがデメリットと言えます。
PTSは「私設取引システム」といい、民間企業が運営しています。
現在、PTSを運営している企業は下記の3社です。
PTS市場名 | デイタイムセッション | ナイトタイムセッション |
---|---|---|
ジャパンネクストPTS(JNX) | 8:20~16:00 |
16:30~30:00 (翌朝6時) (J-Marketのみ) |
Cboeジャパン PTS(cboe PTS) (旧チャイエックスPTS) |
8:20~16:00 | - |
大阪デジタルエクスチェンジPTS(ODX) (2021年4月1日設立。2022年6月27日より運営) |
8:20~16:00 | - |
それぞれ取引き時間や取扱い銘柄などが異なります。
この中で、夜間取引にも対応しているのはジャパンネクストPTSです。
ですので、夜間の株取引はジャパンネクストPTSに繋がっています。
多くの企業は15:00以降に決算発表を行うので、業績などを確認した後、16:30からPTS取引きをすることもできます。
CboeジャパンPTSや大阪デジタルエクスチェンジPTSは、夜間ではなく日中8:20~16:00の取引きとなります。
取引所取引が始まるのは午前9時なので、その前に取引がしたい場合におすすめです。
①ジャパンネクストPTSには、PTS第1市場(J-Market)、PTS第2市場(X-Market) およびPTS第3市場(U-Market) があります。
②Cboe ジャパンの読み方は、「シーボジャパン」です。
このCboe ジャパン(株)は、2022年2月1日に「チャイエックス・ジャパン(株)」から社名を変更しました。
③大阪デジタルエクスチェンジは、2021年4月1日に設立された新しい企業です。
2022年6月27日からPTS市場に参入しました。
PTSを利用できる主要ネット証券会社は下記の5社です。
SBI証券、松井証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券。
この中で 取引所取引前の時間と夜間取引が可能な証券会社は、SBI証券、松井証券、楽天証券の3社です。
夜間取引は、3社ともジャパンネクストPTSに繋がっていますが、取引終了時間は松井証券が26:00、他の2社は23:59となっています。
ジャパンネクストPTSの夜間取引は16:30~30:00(翌朝6時)までですが、各証券会社の注文受付、取引時間は上記の時間までとなります。
投資家は各証券会社を通して、PTS市場にアクセスしますが、証券会社によって取次可能なPTS市場の組み合わせが異なります。
2023.12.06時点証券会社 |
特徴 |
---|---|
SBI証券 |
|
松井証券 |
|
楽天証券 |
|
マネックス証券 |
|
auカブコム証券 |
|
※1 ダークプールとは取引所外取引の一種で、東証などの取引所を通さず、証券会社内で注文を付け合わせます。正式には「dark pool of liquidity」と呼ばれます。取引所を通さないので、売買が成立するまで気配や注文数を公表する義務がないため注文が見えません。
※2 PTSへの直接発注に対応していないため、SOR注文を利用してPTSに発注します。
複数の市場から最良の取引き条件で注文するSOR(エスオーアール)注文とは?
多くの証券会社は、SOR(スマート・オーダー・ルーティング)というシステムを提供しています。
このSORはシステムは、東京証券取引所やPTSなど複数の市場から
最良の取引き条件を出している市場をシステムで自動的に選択して注文する機能です。
SOR注文は東京証券取引所の立会時間のみ利用できるものなので、
夜間取引や日中の立会時間外ではPTSを利用できません。
[まとめ]
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