株主優待をもらうためには、証券会社の口座開設は避けて通れないステップとなります。
しかし、現在の証券業界は多様性に富んでおり、どの証券会社を選べばよいのか、初心者は特に頭を悩ませることでしょう。
そこで、この記事では証券会社の大きな2つのカテゴリー、伝統的な店舗型証券会社と、手数料が安いネット型証券会社を初心者にも分かりやすく比較します。
両者の大きな違いは、情報収集の方法と手数料です。
特に、手数料の面でのメリットや気軽に始められる点から ネット型証券会社をおすすめしています。
投資の世界へ足を踏み入れる前に、自分のスタイルやニーズに合わせた選択の参考としてくださいね。
目次
店舗型証券会社は、全国に物理的な店舗を展開する伝統的な証券会社を指します。
多くの場合、中心都市や主要な商業エリアにオフィスやブランチを構えており、顧客が直接店舗を訪れて取引や相談を行うことができます。
このように営業担当者と相談しながら取引できる口座を「対面取引口座」といいます。
対面取引口座の主な特徴は、以下の4つが挙げられます。
店舗型証券の魅力は、投資のプロである支店担当者からアドバイスや投資の情報を受けながら取引できることです。
プロに相談をすることで、自分のニーズや資産状況をより正しく理解することができ、安心感が生まれます。
直接の対面サポートや信頼感を重視する顧客には魅力的な選択肢となるでしょう。
このようなサポートの手厚い「対面取引口座」の他に、「非対面の取引口座」も存在します。
こちらは投資相談はできませんが、手数料は比較的安くなります。「対面取引口座」と「非対面の取引口座」の選択は、口座開設時にできます。
各証券会社でサービス名称が異なりますが、非対面の取引口座は「ダイレクト」や「ネット」などの名前がついています。
例)野村證券:「野村ネット&コール」、大和証券:「ダイワ・ダイレクト」コース
ただし、非対面の取引口座を選んでも、手数料に関してはネット型証券と比較すると割高です。
ネット型証券会社は、主にインターネットを通じてサービスを提供する証券会社を指します。
物理的な店舗を持たない、または少数しか持たないため、運営コストを削減できるのが特徴です。
以下にネット型証券会社の主な特徴を挙げます。
ネット型証券会社は、取引コストの節約や取引の柔軟性を求める現代の投資家にとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
店舗型証券会社のように営業担当者がいない分、分析ツールなどが充実しています。
特に初心者や頻繁に取引を行うトレーダーには、そのメリットを最大限に活用することができます。
店舗型証券会社とネット型証券会社を以下の4つのポイントに注目して比較してみました。
店舗型証券: 物理的な店舗やスタッフの維持コストのため、手数料が高め。
ネット証券: 運営コストの削減により、低い手数料を実現。
店舗型証券: 店舗で相談したい場合、取引時間や店舗の営業時間に制約がある。
ネット証券: 24時間いつでも取引が可能。
店舗型証券: 直接担当者と対面でアドバイスや情報提供が受けられる。加えて、オンラインセミナーやツールも利用できる。
ネット証券: オンライン上での豊富なツールや情報が提供され、迅速な市場情報の取得が可能。
店舗型証券: 店舗で相談したい場合、実店舗に行く必要がある。ただし、リモート相談ができる証券会社もある。オンラインでの取引も可能。
ネット証券: どこにいてもインターネットがあれば取引が可能。
【おすすめのポイント】
コロナ禍以降、オンラインセミナーやリモートでのやり取りが普及し、店舗型証券であっても、オンラインサービスが充実しており、便利なツールも利用できます。
また、店舗型、ネット型どちらもコールセンターがありますので、近くに店舗がない、あるいは平日は店舗に行けないなどの場合も、電話相談できます。
ですので、大きな違いは「情報収集の方法(担当者に相談するか、自分で行なうか)」と「手数料」になるかと思います。
最終的には、各投資家の取引スタイルや必要なサポート内容に応じて、最適な証券会社を選ぶことが重要です。
投資はリスクを伴うため、しっかりとした情報収集と、自分の投資スタイルに合った選択をしましょう。
では、大きな違いのひとつである手数料についてみてみましょう。
ネット型証券会社と店舗型証券会社で、手数料の差はどのくらいあるのでしょうか。
証券会社を2社ずつピックアップし、口座管理料と売買手数料を表にしました。4社とも大手証券会社です。
ネット型証券会社 | 店舗型証券会社 (対面取引口座) |
||||
---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | マネックス証券 | 野村證券 20万円以下2,860円 20~50万円1.4300% ※1 |
大和証券 最低手数料2,750円 ~100万円1.26500% ※1 |
||
口座管理料 | 無料 |
無料 |
無料 | 1,650円※2 | |
売 買 手 数 料 |
~10万円 | 無料 | 99円 | 2,860円 | 10万円の場合 最低手数料2,750円 |
~20万円 |
無料 | 115円 | 2,860円 | 20万円の場合 最低手数料2,750円 |
|
~50万円 | 無料 | 275円 | 50万円の場合 7,150円 |
50万円の場合 6,325円 |
売買手数料は国内株式、現物、成行注文の場合。2023.10.03現在 (全て税込み)
店舗型証券会社は、どちらも店頭や電話で支店担当者を経由して取引した場合。
※1 割合(%)は約定代金に対する割合です。
※2 「ダイワの「eメンバー」サービス」の申込みや「プレミアムサービス」等に加入すると無料。
口座管理料は、大和証券のみ1,650円かかりますが、「eメンバー」の申込みで無料になります。ですので、ネット型証券会社と店舗型証券会社の差はほぼないと考えてよいと思います。
しかし、売買手数料に関しては大きな差があります。
20万円の株式を売買した際の手数料を例にみてみましょう。
店舗型証券の場合、手数料のかかるマネックス証券と比較しても、2,475~2,585円高いです。
物価が上昇している今、この金額の差はかなり大きく感じますね。
SBI証券 と 楽天証券は、簡単な条件をクリアすると取引手数料が完全無料なるサービスやコースもあります。
株主優待銘柄を取得したい場合、多くは10~50万円の範囲にありますので、余計な手数料は抑えたいところです。
営業担当者に相談できる安心感と手数料の金額は、表裏一体と言えます。
店舗型証券会社とネット型証券会社の最大の違いは、手数料といっても過言ではありません。
長期保有を前提とした優待投資を目指しても、店舗型証券会社で購入すると3,000円~7,000円の手数料がかかります。また、売却時も同様の手数料が発生します。
この手数料が配当金や株主優待の価値を上回るケースも考えられます。
目的は「お得」に投資することなのに、高い手数料で損をしてしまうのは理想とは程遠いです。
店舗型証券会社には独自のメリットもありますが、限られた資金を持つ一般の投資家にとっては、低コストな手数料体系のあるネット型証券会社が適しているでしょう。
特に、初心者や主婦の投資家には、手数料を節約して株主優待の利益を最大化するネット型証券会社を推奨します。
ネット型証券会社は、店頭窓口のある店舗型証券と違い、営業担当者はいませんが 「サポートセンター」が各証券会社で用意されています。
「注文方法が分からない」、「優待検索の仕方が分からない」といった疑問は、電話やメールで問い合わせることができます。
情報収集に関しても、各社、豊富な投資情報を提供しています。オリジナルレポートやマーケット情報ツールが充実しているので、大変便利です。
なにより、取引手数料が安い点においてネット証券会社はおすすめです。
個人投資家の主流はネット型証券会社になっていますので、これから優待投資を始める方は、まず便利なネット型証券の口座開設をおすすめします。
蛇足ですが、ネット型証券ですと運用資金が少なくても営業担当者がいるわけではないので、気兼ねなく好きな株式数を予算に合わせて買えるのが良いところです。
資金が少ないと、営業担当者に相談するのもちょっと恥ずかしいものです。
そういった意味でも、資金の少ない初心者や主婦にはネット型証券がおすすめです。
[まとめ]
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